競争事業者との比較広告

 

比較広告に対する規制

景品表示法では、優良誤認表示・有利誤認表示ともに、競争業者のものよりも著しく優良または有利であると一般消費者に誤認される表示を不当表示として禁止しています。
例えば、優良誤認であれば、自社の商品につき、「この技術を用いた商品は世界で当社のものだけ」との表示をしていた場合に、実際には同種もしくは類似の商品を取扱っている競争業者も同じ技術を用いた商品を販売していた場合が該当します。
有利誤認であれば、「当社が販売するこの商品は地域最安値」との表示をしていた場合に、実際には地域内での価格の調査も行っておらず、同じ商品を取り扱っている競争業者の方が安値で販売していた場合が該当します。
また、上記のように自己の商品の内容や取引条件について優良もしくは有利である旨を表示するものにとどまらず、競争事業者またはその商品を陥れるため、事実に反した欠点を殊更に指摘する場合も不当表示になる場合もあります。
自社の商品の優良性や自社の取引条件の有利性を表示する場合は、その根拠について自社内で実証、調査を行うことが可能ですが、他社との商品関係で優良性や有利性を表示する場合は、他社の商品内容や取引条件を調査しなければなりませんので、調査を行わず安易に比較広告を行うことは避けるべきです。
しかし、当然ながら、景品表示法は競争業者の商品や取引条件との比較に関する広告そのものを禁止しているものではありません。自己の商品や取引条件をPRするために比較広告を用いることは有効な広告手段の一つであり、適切な表現にて有効活用すべき場合も多くあります。
消費者庁では、「比較広告に関する景品表示法の考え方」(昭和62年4月21日公正取引委員会事務局、改正平成28年4月1日消費者庁)を明らかにしており、その中で適正な比較広告の要件を下記のとおり明らかにしています。

適正な比較広告の要件

 (1) 比較広告で主張する内容が客観的に実証されていること

客観的に実証されているというためには、実証の方法について確立された方法があればその確立された方法によって行い、それがない場合には社会通念上及び経験則上妥当と考えられる方法によって、主張しようとする事実が存在すると認識できる程度まで行われている必要があります。商品の特性や広告の範囲に合わせた適切なサンプルの種類や数による実証が必要です。

 (2) 実証されている数値や事実を正確かつ適正に引用すること

主張する内容が客観的に実証されていても、数値や事実が適切に引用されていなければ、消費者に誤った判断を与えてしまうことになります。
例えば一定の限られた条件の下で行われている場合は、その限られた条件の下での比較として引用する必要があり、全ての条件の下でも適用されるかのような表記は不当表示となる恐れがあります(温暖地用のエンジンオイルの性能に関する比較広告において温暖地での比較実験の結果のみを根拠に、当該商品が国内のすべての地域において優秀であると主張するような場合。)。
また、各社が販売している同種の製品について、多数の項目にわたって比較テストをしている調査結果の一部を印象する場合に、自社の得意な項目のみを恣意的に取り上げ、その平均点を商品全体の評価として自社製品の優秀性を主張することは不当表示となるおそれがあります。

 (3) 比較の方法が公正であること

例えば、社会通念上同等のものと認識されていないものと比較し、あたかも同等のものとの比較であるかのように表示する場合は不当表示になるおそれがあります。自社のデラックス・タイプの自動車の内装の豪華さを比較する場合に、他社のスタンダードタイプの自動車の内装と比較し、あたかも同グレードの内装を比較しているかのような表示がこれにあたります。
このような場合、調査の方法が客観的に実証され、数値や事実が正確に引用されていても、そもそも比較対象の選定が不公正であり、消費者に誤った判断をもたらす可能性が高いため不当表示とされる恐れがあるのです。

以上が、適正な比較広告の3つの要件です。比較広告を用いる場合は、この要件に則したものを作成するようにしてください。
グロース法律事務所では、景品表示法をはじめとする広告審査に関するご相談もお受けしております。貴社の商品・サービスのより良いPRのために、ぜひとも当事務所の広告審査相談をご利用ください。

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徳田 聖也

徳田 聖也

京都府出身・立命館大学法科大学院修了。弁護士登録以来、相続、労務、倒産処理、企業間交渉など個人・企業に関する幅広い案件を経験。「真の解決」のためには、困難な事案であっても「法的には無理です。」とあきらめてしまうのではなく、何か方法はないか最後まで尽力する姿勢を貫く。

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