薬機法上の規制にかかる広告とは

1 はじめに

医薬品等について、不適切な広告がなされると国民の健康に被害が及んだり、国民が適切な医療を受ける機会を逃したりすることが生じるため、薬機法により誇大広告の禁止などの各種広告規制が定められています。本稿では、実際にどのようなものが薬機法上の規制にかかる広告に該当するのか解説いたします。

 

2 対象者・対象媒体

薬機法上の広告規制の対象者は、現に医薬品等を取り扱っている者に限られず、「何人」も対象になります。従って、自らのHPなどで薬機法の規制に違反する広告を行った場合は、自らが全く医薬品の製造・販売に関わっていなかったとしても、広告を行った者として違反の対象となります。

従って、製造業者や販売業者に限らず、広告のみを取り扱う事業者や個人であっても違反の対象となるため注意が必要です。

また、広告の手段(媒体)についても、あらゆるものが対象となります。チラシや新聞広告、テレビ、ラジオ、SNSや各種HPなどのWEBサイトも全て対象となります。

 

3 広告の3要件

厚生労働省の通知によると、医薬品等の広告の該当性は以下の3要件にて判断されています。 

① 顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること(誘因性)

①の顧客を誘引する意図が明確であることとは、顧客誘引の手段となっていることが必要とされており、「客観的誘引手段性」と「主観的誘引手段性」が必要とされています。

客観的誘引手段性とは、告知行為が内容や体裁などからして顧客誘引の手段としての性質を有していることであり、主観的誘引手段性とは、告知行為をした行為者が顧客誘引の手段とする意思があることです。

この要件については、ある医薬品の告知行為を行うにあたっては、何らかの顧客誘引の手段としての性質を有していることが通常であり、また告知行為を行った者もそのような意思を持っていることが大抵であることから、例えば、特定の医薬品について学術論文に掲載する場合などの特殊な場合を除いて、誘引手段性が認められると考えられます。

② 特定医薬品等の商品名が明らかにされていること(特定性)

②の特定性について、商品名等が明らかにされておらず、一般的な食品等の効能効果などの情報を提供する場合は、当該商品のPRにならないことから広告には該当しません。

しかし、一見商品名が特定されていないような表現であっても、告知表現の内容から実質的に商品が特定できる場合は、特定性があると認められます。

また、一般的な効能効果を紹介するWEBページ(いわゆるキュレーションサイト)に特定の商品の購入ページのリンクが貼ってある場合などは、これら2つのサイトで一つの広告と判断され、特定性が認められます。

 ③ 一般人が認知できる状態であること(認知性)

 ③の認知性については、不特定又は多数の者に告知するものであれば該当し、現に当該医薬品や医療機器を使用している人への告知行為であっても、それが不特定又は多数の者が認知できる状態であれば、認知性の要件を満たします。

 

4 グロース法律事務所の広告審査

本稿解説のように、自らは「広告」を行っている意識はない場合でも、上記3要件に該当する場合は薬機法状の広告規制の対象となることから注意が必要です。

グロース法律事務所では、企業広告における審査のご相談もお受けしていますので、企業広告に関連したご相談がある場合は一度お問い合わせください。

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徳田 聖也

徳田 聖也

京都府出身・立命館大学法科大学院修了。弁護士登録以来、相続、労務、倒産処理、企業間交渉など個人・企業に関する幅広い案件を経験。「真の解決」のためには、困難な事案であっても「法的には無理です。」とあきらめてしまうのではなく、何か方法はないか最後まで尽力する姿勢を貫く。

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