契約書のサンプルに潜むリスク

インターネットが普及する以前は、冊子になっている契約書の書式集が雛形の主流でしたが、インターネットの普及に伴い、現在は、インターネット上において、売買契約、賃貸借契約、業務委託契約、秘密保持契約といった、典型的な取引に関する契約書が無料で掲載されています。

 

私たちの目からみた場合に、考え抜かれた契約書の雛形が掲載されていることもある反面、文言や内容につき、検討や記載が不十分な契約書があることも事実です。

また、考え抜かれた契約書であればあるほど、それはどちらか一方に有利に作り込まれていることがあることにも留意しなければなりません。

 

契約書は、どちらの側に立って契約をするかによって、記載する内容や留意点が異なります。

例えば、売買契約の場合、売主からすれば、代金を回収するまで商品の所有権が売主側にあるとするのは、当然ですが、買主に有利に記載しようとした場合には、「引渡しと同時に所有権が移転する」と記載しておけば、代金が支払われる前でも所有権が移転するということになります。

また、取引によるトラブルが生じた場合、証明の難しい損害が生じることがあります。例えば、受注した商品が納期通りに入らなかった、そのため、他社から臨時で代替品を仕入れ、当面乗り切ったものの、余分に費用がかかった。また、その代替品は臨時に調達したものであったばかりに、十分なものでなかったため、客先に迷惑をかけた、といったような例を想定します。この場合、損害を請求する側に立って契約書の文言を考えるのであれば、一定の額を予め損害額と見做すことができる条項を入れることになりますし、一方、請求されることがあるかもしれない側に立てば、そのような見做し額を下げたうえ、かつ、それ以上の請求をさせないように工夫する文言を入れた条項を作成することとなります。

ご相談の例で、いくつかの雛形を切り貼りして、自社に合わせた契約書を作成のうえ、ご相談に来られることもありますが、雛形は便利な反面、内容を知らずに利用すると、思わぬ落とし穴がありますので、十分ご留意下さい。

当事務所では、このような契約書のチェック・修正も承っておりますので、一度ご相談下さい。
  

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谷川安德
大阪府出身。立命館大学大学院法学研究科博士前期課程(民事法専攻)修了。契約審査、労務管理、各種取引の法的リスクの審査等予防法務としての企業法務を中心に業務を行う。分野としては、使用者側の労使案件や、ディベロッパー・工務店側の建築事件、下請取引、事業再生・M&A案件等を多く取り扱う。明確な理由をもって経営者の背中を押すアドバイスを行うことを心掛けるとともに、紛争解決にあたっては、感情的な面も含めた紛争の根源を共有すること、そこにたどり着く過程の努力を惜しまないことをモットーとする。
谷川安德

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