反社会的勢力を排除するためにはどのような契約条項を設けるべきか?

 

反社条項

反社会的勢力は、必ずしも暴力団に限りません。むしろ、その活動形態を見る限り、正常な企業活動を装ったりすることが通常であり、資金獲得活動をより年々巧妙化させ、知らず知らずのうちに取引射界に紛れ込んでいることが多いと言えます。

そのため、反社会的勢力を排除するための契約条項を設けるうえにおいては、暴力団、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標ぼうゴロ、政治活動標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団等といった団体等の属性に着目する必要があるとともに、暴力的な要求行為や不当な要求を行うといった行為にも着目し、規定を設けておく必要があります。

 

例えば、警察庁のHPでは、不動産売買契約書での反社条項例として、次のような規定が示されています。

第○条 売主及び買主は、それぞれ相手方に対し、次の各号の事項を確約する。

① 自らが、暴力団、暴力団関係企業、総会屋若しくはこれらに準ずる者又はその構成員

(以下総称して「反社会的勢力」という)ではないこと。

② 自らの役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう)が

反社会的勢力ではないこと。

③ 反社会的勢力に自己の名義を利用させ、この契約を締結するものでないこと。

④ 本物件の引き渡し及び売買代金の全額の支払いのいずれもが終了するまでの間に、自

ら又は第三者を利用して、この契約に関して次の行為をしないこと。

ア 相手方に対する脅迫的な言動又は暴力を用いる行為

イ 偽計又は威力を用いて相手方の業務を妨害し、又は信用を毀損する行為

 

上記の①から③は、「属性」に着目した表明と確約内容であり、④は暴力的行為等の「行為」に着目した確約内容となっています。

このような規定を設けることによって、契約締結段階で、例えば、このような条項の削除を求める相手方、条項の修正を求める相手方との関係で、契約を締結しないなど、未然に反社会的勢力との契約を防ぐことが出来ます。

また、反社条項を設けることの意義は、このような確約に違反があった場合に、契約を無条件で解除できるようにすること、一方的に契約解除したとしても損害賠償義務を負わないようにすること等にあります。

そこで、このような表明、確約条項を前提として、同じく警察庁のHPで公表されている条項を引用すれば、次のような規定を設けることが重要です。

 

売主又は買主の一方について、次のいずれかに該当した場合には、その相手方は、何らの

催告を要せずして、この契約を解除することができる。

ア 前項又はの確約に反する申告をしたことが判明した場合

イ 前項の確約に反し契約をしたことが判明した場合

ウ 前項の確約に反した行為をした場合

 

○項の規定によりこの契約が解除された場合には、解除された者は、解除により生じる損害について、その相手方に対し一切の請求を行わない。

 

反社条項については、このように契約書の条項に記載することも出来ますし、先方から、表明・確約書の形で、差し出してもらうことも同様の効果があります。

また、反社会的勢力とのつながりは、従業員との関係でも留意しておく必要があります。

従業員が反社会的勢力とつながりをもった場合、これが取引の相手方との契約違反(反社条項の違反)となり、契約解除、損害賠償という不測の損害を被る可能性もあります。

このような事態を未然に防ぐためには、従業員への意識付けのためにも、就業規則や、誓約書において反社会的勢力と関係を有しないことの表明と確約をしてもらうことも重要です。

 

契約の締結、見直しの際には、このような視点でチェックいただければと思います。

 

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谷川安德

谷川安德

谷川安德 大阪府出身。立命館大学大学院法学研究科博士前期課程(民事法専攻)修了。契約審査、労務管理、各種取引の法的リスクの審査等予防法務としての企業法務を中心に業務を行う。分野としては、使用者側の労使案件や、ディベロッパー・工務店側の建築事件、下請取引、事業再生・M&A案件等を多く取り扱う。明確な理由をもって経営者の背中を押すアドバイスを行うことを心掛けるとともに、紛争解決にあたっては、感情的な面も含めた紛争の根源を共有すること、そこにたどり着く過程の努力を惜しまないことをモットーとする。
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