能力不足、勤務態度不良社員に対する普通解雇の有効性が認められた事案
(相談)
会社から以下のような社員に関し、退職を求めざるを得ないということで、その方策等についての相談がありました。
①採用時に期待した業務上の能力がなかった
②遅刻も散見される
③業務時間中に会社が許可していない副業を行なっていることが確認できた
(対応)
これまでに懲戒処分歴もなかったことから、まずは比較的軽微な懲戒処分を行なうことを選択することを提案し、①②③の関係証拠を収集し、懲戒処分(けん責)を行ないました。
当該従業員から弁明書が提出されましたが、事実関係を認めず、また反発的態度が顕著であったことから、退職に向けた対応をとることとし、退職勧奨にも応じなかった経緯を踏まえ、解雇を選択することとしました。
解雇にあたっては、懲戒事由に該当しない普通解雇事由もあったことを踏まえ、普通解雇としました。
その後、当該従業員から解雇無効の訴訟が提起されましたが、第一審、第二審ともに普通解雇が有効であることを認めました。
本件は反発的態度が顕著であったことが、裁判所の判断に大きく影響した事案であると思われます。
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谷川安德
谷川安德
大阪府出身。立命館大学大学院法学研究科博士前期課程(民事法専攻)修了。契約審査、労務管理、各種取引の法的リスクの審査等予防法務としての企業法務を中心に業務を行う。分野としては、使用者側の労使案件や、ディベロッパー・工務店側の建築事件、下請取引、事業再生・M&A案件等を多く取り扱う。明確な理由をもって経営者の背中を押すアドバイスを行うことを心掛けるとともに、紛争解決にあたっては、感情的な面も含めた紛争の根源を共有すること、そこにたどり着く過程の努力を惜しまないことをモットーとする。
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