富士通クライアントコンピューティング株式会社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について
【概要】
消費者庁は、本日、富士通クライアントコンピューティング株式会社に対し、同社が供給するノートパソコンに係る表示について、景品表示法第8条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出しました。
【内容】
1 対象表示
ア 表示媒体
「富士通 WEB MART」と称する自社ウェブサイト(以下「自社ウェブサイト」という。)
イ 二重価格表示
(ア) 表示内容
例えば、特定本件商品について、令和4年10月4日及び同月5日に、「WEB価格(税込) 187,880円 キャンペーン価格(税込) 148,425円 21%OFF(10/5 14時まで)」と表示するなど、あたかも、「WEB価格」と称する価額(以下「WEB価格」という。)は、自社ウェブサイトにおいて特定本件7商品について通常販売している価格であり、「キャンペーン価格」と称する価額(以下「キャンペーン価格」という。)が当該通常販売している価格に比して安いかのように表示していた。
(イ) 実際
WEB価格は、自社ウェブサイトにおいて、特定本件7商品について販売された実績のないものであった。
ウ 期限限定表示
(ア) 表示内容
a 例えば、特定本件商品について、令和4年10月4日及び同月5日に、「WEB価格(税込) 187,880円 キャンペーン価格(税込) 148,425円 21%OFF(10/5 14時まで)」と表示するなど、同欄記載の期限内に購入した場合に限り、キャンペーン価格で特定本件7商品を購入することができるかのように表示していた。
b 例えば、特定本件商品について、令和4年10月4日から同月26日までの間、「“まとめ買いキャンペーン実施中”買えば買うほどお得! 対象商品のお買い上げ数量に応じて割引額がアップするお得なキャンペーンです。3台以上のお買い上げ→1台につき3,000円OFF!5台以上のお買い上げ→1台につき5,000円OFF!」及び「[期間:2022年10月26日(水)14時まで]」と表示するなど、あたかも、同欄記載の期限内に特定本件7商品を含む「まとめ買いキャンペーン」と称する企画の対象商品を複数購入した場合に限り、キャンペーン価格から更に値引きした価格で特定本件7商品を購入することができるかのように表示していた。
(イ) 実際
a 前記(ア)aについて、表示内容の期限後に購入した場合であっても、当該キャンペーン価格で特定本件7商品を購入することができるものであった。
b 前記(ア)bについて、表示内容の期限後に購入した場合であっても、当該キャンペーン価格から更に値引きした価格で特定本件7商品を購入することができるものであった。
2 命令の概要
富士通クライアントコンピューティングは、令和7年3月3日までに、「課徴金額」欄記載の額を合計した4223万円を支払われなければならない。
【弁護士の意見】
本件は販売実績のない価格などを表記し、あたかも期間限定で低価格で購入できるように消費者に認識させるもの(二重価格)の典型例といえます。本件では措置命令において、課徴金の納付命令が課されており、企業の信頼低下と共に経済的に大きな損失となります。
事業主は、事実と異なる二重価格表記や期間限定表示を行うと消費者に誤った認識に導くことを意識し、このような表示は行わないことを再度認識する必要があります。
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