不当表示の禁止 優良誤認表示について


 

景品表示法では、一般消費者による適切な商品・サービスの選択が出来るよう、一般消費者に商品・サービスの品質や価格等について、次のような表示規制がされています。

 

① 優良誤認表示

② 有利誤認表示

③ その他誤認されるおそれのある表示(一般消費者に誤認されるおそれがあるとして内閣総理大臣が指定する不当表示)

 

① 優良誤認表示

優良誤認表示とは、商品やサービスの品質、規格などの内容について。実際のものや事実に相違して競争事業者のものより著しく優良であると一般消費者に誤認される表示をいい、これを規制しています。

②の有利誤認表示との区別が難しいケースもありますが、①にのみ適用される法律の規定もあるため、分けて説明致します。

 

イメージを持ちやすくするために、一つ例として、実際には、10万キロ走行している中古車について、「走行距離3万キロ」として表示のうえ、売り出していた場合を想定してみましょう。

 

これが優良誤認表示にあたるかどうかを判断するには、次のような思考のプロセスを理解しておく必要があります。

消費者庁のガイドブック(事例でわかる景品表示法)では、「簡単にいうと、『これはとっても良い品質(規格、内容)だ!』と消費者に思わせておいて、実際にはそうではない表示のことです!」と説明されています。

これを紐解くと、表示全体から判断して、「これはとっても良い品質(規格、内容だ!)と消費者が思う表示かどうかが、次に、「実際」はどうか、そして、それを比較したときに「(実際は)そうではない」という検討経過をたどることになります。

つまり先ほどの例であれば、中古自動車展示場に「走行距離3万キロ」との表示がある場合には、当然消費者は、走行距離は3万キロと受け取ります。しかし、実際のところは、走行距離は10万キロであり、実際は表示どおりではないので優良誤認表示、という結論になるのです。

ここでは、実際の車両としての性能が10万キロ走行しているものの、走行距離3万キロの車両と同じであるかどうかは全く問題になりません。

 

また、条文上は、「著しく」優良であると一般消費者に誤認される表示が禁止されており、「著しく」とは、消費者庁によれば「誇張・誇大の程度が社会一般に許容されている程度を超えていること」と説明されています。

もっとも、社会一般に許容される程度を超えるものであるかについて、消費者庁は「当該表示を誤認して顧客が誘引されるか否かで判断され、その誤認がなければ顧客が誘引されることが通常ないであろうと認められる程度に達する誇大表示」をいうと説明しています。

そうすると、結局のところ、その表示で顧客が誘引されるか否かで判断されることがほとんどとなり、あまり「著しく」という文言で消費者庁の判断が分かれることはないと思われます。

 

まずは、このような優良誤認表示の規制と、判断の方法について十分にご理解下さい。

 

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顧問先様以外の広告審査のスポット受任における費用は以下のとおりです。

①広告審査について

〇広告審査(不当表示該当性)アドバイス

顧問先様以外は1時間あたり4万1800円

実際の広告(または広告案)を拝見し、文言の内容・大きさ・位置、写真やイラスト等の文言以外の表現の内容・位置について審査し、アドバイスいたします。

〇広告審査(不実証広告規制対応)アドバイス

顧問先様以外は1時間あたり4万1800円

実際の広告(または広告案)を拝見し、表示する効能・効果などについて、合理的な根拠を示す資料と足りうるか審査し、アドバイスいたします。

〇景品類の制限に関する調査

顧問先様以外は1時間あたり4万1800円

実際の景品類の提供案について、景品類の提供に関する事項の制限・禁止に該当するか否か、該当する場合にはいかなる方法によるべきかなどを審査し、アドバイスいたします。

②広告審査社内体制の構築

〇従業員教育(出張セミナー・勉強会)

7万7000円~/1回

ご要望に合わせ、出張セミナー・勉強会を開催し、各社に合った景品表示法に関する教育を実施いたします。

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22万円~

社内で広告審査体制(部門)を設置する場合の組織体制アドバイス・審査マニュアルの作成・問題事例の提供等を行います。

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谷川安德

谷川安德

谷川安德 大阪府出身。立命館大学大学院法学研究科博士前期課程(民事法専攻)修了。契約審査、労務管理、各種取引の法的リスクの審査等予防法務としての企業法務を中心に業務を行う。分野としては、使用者側の労使案件や、ディベロッパー・工務店側の建築事件、下請取引、事業再生・M&A案件等を多く取り扱う。明確な理由をもって経営者の背中を押すアドバイスを行うことを心掛けるとともに、紛争解決にあたっては、感情的な面も含めた紛争の根源を共有すること、そこにたどり着く過程の努力を惜しまないことをモットーとする。

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