有料老人ホームにおける表示について(景品表示法上の指定告示)

 

景品表示法に基づく有料老人ホーム告示

有料老人ホームの広告(パンフレットの記載なども含む)を行うにあたっては、景品表示法に定められた「有料老人ホームに関する不当な表示」に該当しないように注意しなければなりません。
有料老人ホームへの入居は、契約締結時に高額の費用が必要となることが多く、提供するサービスの性質上取引は長期にわたり(終身という場合が多い)、かつ一旦入居が開始されると入居者側からの契約の解除は一般的に困難な類型です。加えて、利用者の心身の状態の変化により提供するべきサービス内容も変化していくことから、入居時に将来を見通したサービス全体の内容を把握し難いという性質があります。
そこで、有料老人ホームの取引においては、有料老人ホームを「選択」する時点において消費者の誤認を招くおそれのない表示(広告)となっていることが重要であることから、景品表示法に基づく告示として有料老人ホームの広告に対する規制が設けられています。

対象となる表示事項

有料老人ホームに関する不当な表示の主な対象は以下の事項です。
➀土地建物を表示する場合、土地建物が自己所有でない場合はその旨を明瞭に記載しなければなりません(写真の表示でも説明が必要です。以下同様)。
②施設・設備の表示において、自己が設置していない施設・設備についてその旨を明瞭に記載しなければなりません。
他に、施設が有料老人ホームの施設内に設置されていない場合や施設利用に別途費用がかかる場合にはその旨を明瞭に記載する必要があります。
(例:このプールは○○市が運営するものであり、本ホームから100メートルの場所にあり、1回の利用につき500円の利用料が発生します。)
③特定の用途に使用される施設・設備の表示において、その用途専用のものとして設置されていない場合はその旨を明瞭に記載する必要があります。
(例:機能訓練室(教養娯楽室と共用))
④建物の構造・仕様の表示において、一部に異なるものがある設備はその旨を明瞭に記載する必要があります。
(例:「南向きの部屋 ○部屋中△部屋」)
⑤居室の表示において、入居時の居室から他の居室に住み替えることがある場合、またその場合に居室の専有面積が減少する場合、権利の変更・消滅が予定されている場合、追加費用が発生する場合はその旨を明瞭に記載する必要があります。
⑥実際には退去や他の施設への住み替えを求められることがあるにもかかわらず、「終身介護」など終身にわたって居住できるかのような表示を行ってはなりません。
⑦医療機関との連携の表示については、医療機関の名称、診療科目等の協力の具体的内容、入居者の費用負担(保険診療の一部負担は除く)が別途かかる場合はその旨を明瞭に記載する必要があります。
⑧有料老人ホームの入居者に提供される介護サービスについての表示であって、有料老 人ホームが当該介護サービスを提供するものではない場合はその旨を明瞭に記載する必要があります。
⑨有料老人ホームが提供する介護保険法の規定に基づく保険給付の対象とならない介護サービスを表示する場合は、当該介護サービスの内容及び費用を明瞭に記載する必要があります。
⑩介護職員の数の表示において、常勤換算方法による介護職員等の数・介護職員等が要介護者等以外の入居者に対し、食事の提供その他日常生活上必要なサービスを提供する場合にあっては、要介護者等に介護サービスを提供する常勤換算方法による介護職員等の数・夜間における最少の介護職員等の数を明瞭に記載する必要があります。
⑪有料老人ホームの介護に関する資格を有する介護職員等についての表示について、介護に関する資格を有する介護職員等の数を常勤又は非常勤の別ごとに明瞭に記載する必要があります。
⑫入居者から支払いを受ける費用に関する表示について、名義のいかんにかかわらず、費用の内訳について明瞭に記載する必要があります。

明瞭な表示とは

対象となる表示事項で求められる「明瞭に記載されている」とは、表示に近接した箇所に高齢者にわかりやすく、目立つように記載されていなければなりません。
また、上記対象事項の記載については各都道府県の施設運用基準にて定められた重要事項説明の記載事項になっているものもありますが、重要事項説明書に記載されているだけでは不十分であり、当該表示媒体(パンフレットなど)自体に記載されている必要があります。

グロース法律事務所では有料老人ホームにおける広告審査についてもご相談をお受けしております。パンフレット等の表記でお悩みの場合はぜひご相談ください。

 

グロース法律事務所によくご相談をいただく内容

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徳田 聖也

徳田 聖也

德田聖也 京都府出身・立命館大学法科大学院修了。弁護士登録以来、相続、労務、倒産処理、企業間交渉など個人・企業に関する幅広い案件を経験。「真の解決」のためには、困難な事案であっても「法的には無理です。」とあきらめてしまうのではなく、何か方法はないか最後まで尽力する姿勢を貫く。
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