過重労働撲滅特別対策班(かとく)の監督指導・捜査

 

過重労働撲滅特別対策班(かとく)とは?

「過重労働撲滅特別対策班」(通称かとく)とは、過重労働(長時間労働)対策のために厚生労働省に設置された労働基準監督官の特別チームたる行政機関です。

主に複数の支店・事業所にまたがって捜査を行う場合やパソコンに保存された労働時間のデータが改ざんされており専門的なデータ解析(デジタルフォレンジック)を行う必要がある場合など専門的な対応が必要な事案を対象としています。これまで大手靴販売業者や大手広告代理店の長時間労働問題の捜査を行い、一般的にも知られるようになりました。

かとくは2015年4月に厚生労働省に設置され、まず東京労働局と大阪労働局の2ヶ所に設けられました。この東京労働局と大阪労働局のかとくは各10名程度の経験豊富な労働基準監督官で構成されています。各労働基準監督官は、事業所に立ち入り調査・指導・捜査権限を持ち、違法性が認められる事案については特別司法警察員として検察に送検する権限を持っています。

設立当初は、残業時間が月に100時間を超える事業所について重点監督対象としていましたが、長時間労働法規制の執行強化策として月80時間を超える事業所について重点監督対象が広げられました(重点監督対象の拡大)。

そして、東京労働局・大阪労働局のかとくに加え、全ての労働局に、長時間労働に関する監督指導等を専門に担当する「過重労働特別監督監理官」を各1名を配置することとしています(監督指導・捜査体制の整備)。

この重点監督対象の拡大及び監督指導・捜査体制の整備からも、厚生労働省が過重労働(長時間労働)対策に力を入れていることは明らかです。

 

過重労働撲滅特別対策班(かとく)の捜査対象

通常、監督署からの指摘を受けた場合には直ちに捜査・送検ではなく、行政指導がなされることが多いでしょう。そのような行政指導を続けているにもかかわらず、改善の傾向が見られない場合や、同じ会社で異なる事業所が複数の監督署から指導を受けているにもかかわらず改善されない場合などがかとくの捜査対象になると言われています。

かとくは直ちに捜査を行い、違法性が認められれば司法処分(送検)という手続きに入りますので、企業としてはかとくの捜査対象にならないことが重要です。

上述のとおり、過重労働については残業時間が月80時間を超える事業所につき、重点的に監査対象とされています。企業としては36協定をはじめとした残業時間に関する規制を遵守しなければならないことは当然ですが、万が一従業員の残業時間が月80時間を超えている場合は、直ちに残業時間の削減策を取ることが必要です。

 

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徳田 聖也

徳田 聖也

德田聖也 京都府出身・立命館大学法科大学院修了。弁護士登録以来、相続、労務、倒産処理、企業間交渉など個人・企業に関する幅広い案件を経験。「真の解決」のためには、困難な事案であっても「法的には無理です。」とあきらめてしまうのではなく、何か方法はないか最後まで尽力する姿勢を貫く。

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