懲戒処分ではない業務指導の履歴についてのポイント ~能力不足を例に~

能力不足社員に対する注意指導の書式について

能力不足社員については、会社としてはケースによっては、退職を促したい、服務規律違反等もあるので、懲戒処分を検討したい等考えることも多く、弊所への相談も多い事例です。

法律の大原則に照らせば、雇用契約時に100%提供すると約束していた労力を能力不足で60%しか提供出来ていないのであれば、それに見合っただけの処分等が出来て当然と思われるかもしれません。

しかし、特に従来型の終身雇用の雇用システムの下では、新入社員に能力が不足しているのはある意味当然であり、会社には当該新入社員が100%の能力を発揮出来るよう、指導、教育することが求められています。

したがって、能力不足の例で特に注意指導等することなく懲戒処分が出来ない場合が多いことはもちろん、解雇については解雇権濫用法理によって解雇無効と判断されるケースも多いと言えます。

特に能力不足社員への対応で難しくしていることは、雇用契約時に会社が求め、当該従業員が提供を約していた労力がどのような内容であったかは、過去に遡っては合意内容を立証し難い場合がほとんどであるということです。

 

 

そこで、本稿で示す書式例では、以下の点にポイントをおいて例文を作成しています。

 

① 能力不足の内容

② ①について、本来会社が求めるべき業務内容の指摘と現状の指摘

③ 受領欄

注意指導を受けた事実の立証のためと、能力不足の内容を当該従業員が自覚し、改善を約束したことを立証するための記載です。

 

事案毎に修正は必要ですが、一例としてご参考にいただければと思います。

 


 

 

(文例)

 年   月   日

 

甲 野 太 郎  殿

〇〇株式会社

                                代表取締役 丙 川 一 郎

 

注意指導書

 

貴殿については、下記のとおり職務遂行上の能力不足が認められます。

貴殿に対しては、これまでも口頭にて指導を行ってきたところですが、改めて改善努力されたく、本書をもって注意指導を行います。なお、改めて1か月経過後に改善状況を確認します。

 

① データ処理について

【本来行うべき会社が求める業務内容】

 

 

【貴殿の行っている業務内容】

 

 

② 上長への報告について

【本来行うべき会社が求める業務内容】

 

 

【貴殿の行っている業務内容】

 

-受領欄-

 

本書面を平成  年  月  日に受領しました。

注意指導された事項については、速やかに改善するよう努力します。

 

氏名              印

 


 

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谷川安德

谷川安德

谷川安德 大阪府出身。立命館大学大学院法学研究科博士前期課程(民事法専攻)修了。契約審査、労務管理、各種取引の法的リスクの審査等予防法務としての企業法務を中心に業務を行う。分野としては、使用者側の労使案件や、ディベロッパー・工務店側の建築事件、下請取引、事業再生・M&A案件等を多く取り扱う。明確な理由をもって経営者の背中を押すアドバイスを行うことを心掛けるとともに、紛争解決にあたっては、感情的な面も含めた紛争の根源を共有すること、そこにたどり着く過程の努力を惜しまないことをモットーとする。
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