販売代理店契約のいろいろ ~厳密に使い分けるために知っておくべきポイント~
Contents
販売「代理店」にはいくつかの意味がある!
下記では、販売代理店契約のポイントについて15分程度の動画にまとめさせていただいております。こちらも合わせてごらんください。
「販売代理店契約」を締結するにあたって注意すべきは、実は、「代理店」という文言の中にいくつかの理解の相違、法的意味合いの相違が生じ得る契約であるということです。
例えば、製造メーカーをA、販売代理店をB、顧客をCとし、BとCとの間で売買契約が締結される場合を想定すると、
「販売代理店」という場合
典型的な理解の相違は、「代理」という意味合いが、
① 売主はあくまでメーカーAであり、販売代理店Bはあくまでメーカーの代理人という前提で顧客Cに販売する場合の「代理店」という意味であるのか、
② 販売代理店Bは、メーカーAから商品を購入し、販売代理店B自らが売主となって顧客Cに販売するという意味での「代理店」という意味であるのか、
という点です。
このような販売代理店は、他にも販売店、特約店、など様々な呼称で呼ばれることが多い一方、契約書を作成するにあたっては、いずれであるかによって、当然取り決めるべき内容が異なります。
そもそも、契約するにあたって相手方(売主)が誰であるのかという点ともなりますので、留意が必要です。
①について
販売代理店BがメーカーAの代理人となり、メーカーが売主となって商品を顧客Cに販売する契約を言います。この場合、販売代理店Aは販売実績等に応じた手数料を取得することになります。
あくまで販売代理店は、代理人ですから、商品の売買契約はメーカーAと顧客Cの間で成立することになります。
代理店は商品を買い取ることがなく(商品の所有権を取得するわけではない)、その点で、代理店の立場からみれば在庫リスクを負わない契約になります。
②について
②の意味での販売代理店契約とは、販売代理店BがメーカーAから商品を購入し、自己の名と勘定で顧客Cに販売する契約を言います。
商社に多い形態ですが、販売代理店は再販売による転売利益を取得することになります。販売代理店は商品を自ら購入するため自ら在庫リスクを背負うことになるケースもありますが、一般には販売代理店契約における販売手数料に比して高い転売利益を期待することができます。
②の意味での販売代理店の場合、総販売代理店、総販売特約店として、メーカーAが販売代理店Bに、国内市場全域での独占的な販売権を与える場合があります。このようなケースでは、Bからすれば、需要のある商品を一手に販売できる一方、メーカーAからすれば、国内市場での販売や宣伝広告等をBに委ね、その意味でBの販売努力等次第で、商品の売り上げが増減する可能性があります。
そこで、特に、「総」販売代理店契約といった形態をとる場合には、商品の最低販売数量を設定するなど、メーカーAの立場として、一定の販売量について、Bに負担を求めることが通常です。
まとめ
他にも法的な分析としては上記とも異なる意味で「販売代理店」と称される場合もありますので、契約書における表題が「販売代理店契約」となっていた場合も、上記しました①②のいずれであるのか、それとも①②とも異なる内容であるのかをしっかり見極める必要があります。
下記では、販売代理店契約のポイントについて15分程度の動画にまとめさせていただいております。こちらも合わせてごらんください。
グロース法律事務所によくご相談をいただく内容
・契約書の作成やチェックをしたい
・多数の契約書について契約審査をお願いしたい。アウトソーシングしたい
・AI契約書レビューサービスを使用しているがそのアウトプットに対してこのまま進めて良いかの最終判断に困り相談したい
・AI契約書レビューサービスに対応していない特殊な規約、難度の高い契約書を確認してほしい
契約書に関するグロース法律事務所の提供サービスのご紹介と費用
〇契約書に関する相談
無料(ご来所いただける方に限ります。遠方や新型コロナウイルスの影響でどうしてもご来所いただけない事情がある方についてはオンラインで無料相談を承りますので遠慮はなくご相談下さい)
〇契約書フォーマット
こちらから無料でダウンロードいただけます
〇作成
定型
費用の目安 業務内容の説明 顧問先様以外の対応の可否
5万5000円から11万円 当事務所で取扱い、ある程度書式化されている契約につき、貴社の取引内容に合わせた契約書を作成します。
非定型
費用の目安 業務内容の説明 顧問先様以外の対応の可否
11万円から22万円 汎用性のない、特殊な契約の契約書を作成します。
〇チェック
内容確認と解説のみ
費用の目安 業務内容の説明 顧問先様以外の対応の可否
1回1万5000円 契約書の有利不利の確認と解説をします。
修正案付き
費用の目安 業務内容の説明 顧問先様以外の対応の可否
1回3万3000円~。契約締結までのサポートの場合は、締結までの修正及び確認につき、5万5000円~ 確認結果について修正案を提示します。
タイムチャージは4万1800円
顧問先様は別途割引があります。
詳細は以下をご覧ください。
グロース法律事務所への問い合わせ
お電話(06-4708-6202)もしくはお問い合わせフォームよりお問い合わせください。
お電話の受付時間は平日9:30~17:30です。また、お問い合わせフォームの受付は24時間受け付けております。初回の法律相談については、ご来所いただける方に限り無料でご相談させていただいております。
※遠方の方はオンライン会議での初回面談も承りますので、お申し付けください。また、新型コロナウイルス感染症の影響でどうしても来所ができないという方につきましても、オンライン会議で初回無料で面談を承りますので、お申し付けください。
谷川安德
最新記事 by 谷川安德 (全て見る)
- インスタグラム投稿を自社HPに転載したステルスマーケティング規制について弁護士が解説 - 2024年11月25日
- 施行されたフリーランス取引適正化法の遵守を - 2024年11月12日
- 労働条件明示義務違反の報道について弁護士が解説 - 2024年10月31日
「販売代理店契約のいろいろ ~厳密に使い分けるために知っておくべきポイント~」の関連記事はこちら
グロース法律事務所が
取り扱っている業務
新着情報
- 2024.11.25コラム
- インスタグラム投稿を自社HPに転載したステルスマーケティング規制について弁護士が解説
- 2024.11.12コラム
- 施行されたフリーランス取引適正化法の遵守を
- 2024.10.31コラム
- 労働条件明示義務違反の報道について弁護士が解説
- 2024.10.11セミナー/講演
- 2024年を振り返る社労士勉強会総まとめ 2024.12.12
- 2024.10.02お知らせ
- 滋賀県社会保険労務士会必須研修に登壇いたします(弁護士谷川安德)。