IT業の経営者の皆様へ
1 IT業の特徴について
IT業界の成長は年々続いており、経済産業省によると、IT人材需要は年々増加していくとの見解が示されており(経済産業省委託事業 2019年3月「IT人材需給に関する調査」)、今後もIT技術の進歩に伴って更に需要が高まり、事業が拡大していくと考えられます。
IT業界では、大手企業からの受託開発や下請けとして仕事をしているケースが多く、多重下請け構造が見られます。業界全体の人材不足から、協力会社やフリーランスと連携して業務を進めている企業も少なくありません。他業界と比べると自由な働き方が推奨されている企業が多く、就業規則の策定や労働時間管理においては特に弁護士の対応が必要な分野といえます。
また、システム開発においては、成果物についてのクレームや、不正アクセスによる情報漏洩から甚大なトラブルにつながるリスクがあるため、各種契約書を整備しておくことが必要となります。
2 IT業によくある法律問題について
①社内で労働問題(長時間労働、残業代請求、ハラスメント)が発生した
②契約書の不備により大きなトラブル(情報漏洩、業務委託)に発展してしまった
③フリーランスに委託して業務を進めているが「偽装請負」の指摘を受けてしまった
3 IT業特有の法的問題に関して、弁護士ができること
労働問題について
IT業は労働時間が長くなりやすい業種であるため、労働時間の管理が非常に重要となります。下記の記事を是非ご参考にしてください。
また、フレックスタイム制やテレワークの導入を検討されている方は下記の記事を是非ご参考にしてください。
個別の労働問題に対応するためには、就業規則を始めとした各種規定を整備する他、その運用も適切に行わなければなりません。
契約書の不備によるトラブル
情報漏洩などが発生してしまった場合にも、契約書をしっかりと整備しておけば防げる問題も多々あります。IT業界においてはシステム開発委託契約書や業務委託契約書が頻出の契約書となりますので、下記の別稿もご参照下さい。IT業では業務の範囲や報酬に関する紛争も多く、これらの契約書を整備することは必須です。
偽装請負との指摘について
偽装請負とは、実態は雇用契約であるにもかかわらず、雇用契約の際の雇用主の責任を免れるために業務委託契約が形式上締結されることを指します。また、実態が労働者派遣契約であるにもかかわらず、業務委託契約の形式が用いられている場合も当てはまります。
IT業では委託先の企業に受託者の従業員が出向き作業することも多くあり、委託先企業の業務指示の態様によっては、実態が労働者派遣「偽装請負」に該当してしまうこともあります。従って、業務委託契約を締結するにあたっては、実体上も偽装請負に該当しないようにすることはもちろんのこと、契約書作成においても偽装請負との指摘を受けないように配慮することが必要です。
偽装請負の問題については下記の記事中の「偽装請負に注意」もご参考ください。
顧問契約を締結していれば、企業の内情について都度ヒアリングをせずに済みますので、スピーディーな対応が可能となります。顧問契約の案内や、初回の来所法律相談は無料で対応をさせていただきます。是非、弊所の顧問契約をご検討ください。
徳田 聖也
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