会社債務のリスケや破産の際に代表者の家(自宅)の売却が求められるのか

 

1 会社の債務と代表者個人の負う責任について

破産を検討されている経営者の皆様から受けるご相談において、会社が破産した場合や破産ではなくとも金融機関への支払い計画の変更(猶予)すなわちリスケジュール(リスケ)を行う場合に代表者個人の自宅の売却が求められるのではないかと不安に思われておられる方がおられます。

 

この点、法律上法人と個人は別人格であり、原則として会社の債務について代表者個人が責任を負うことはありません。従って、代表者の自宅を売却する必要はありません。このことは別稿「破産を行うと代表者やその家族はどうなる?弁護士が解説」に記載のとおりです。

 

しかし、多くの場合、会社の代表者は会社の負う債務について保証を行ったり、自宅に(根)抵当権を設定したりしています。この場合において、会社が破産すると、会社代表者が保証人である場合は、保証人として自らの責任を問われることになり、保証している債務額について会社代表者自らの資産を持って支払う必要があります。会社の債務を担保するため自宅に(根)抵当権が付されている場合は、自宅が売却されることになります。

 

また、破産ではなくリスケを求める場合に、支払い計画の変更内容によっては保証人たる代表者の資産の処分(自宅の売却)を条件とされる場合があります。このような場合には会社存続のため自宅の売却に応じざるを得ない場合もあります。

 

2 代表者が保証人となっていない場合にリスケを行う場合

上記のとおり、代表者は会社債務の保証人になるか、自宅に(根)抵当権を設定しない限り、会社が債務を支払えなくなりリスケや破産を行う場合に自宅の売却を求められることはありません。

 

従って、代表者が会社債務の保証人になったり、自宅に(根)抵当権を設定する場合は慎重な判断が必要です。例えば、代表者が金融機関からの借入時には保証人になっておらず、自宅に(根)抵当権を設定していない場合であっても、リスケを求めた際に、リスケの条件として代表者が保証人になることや自宅に(根)抵当権を設定することを求められる場合があります。

 

リスケを依頼するということは、借入当時の返済計画を実行できない状況ということであり、リスケにより一時的に破産を免れたとしても、今後会社の収支状況が改善しない限り破産のリスクが付いて回ります。

 

収支が改善する具体的な見込みがないにもかかわらず、とにかく目前の支払いを回避するために保証人になったり、自宅に(根)抵当権を設定した場合に、結局会社の収支状況が改善せず、遠くない将来に会社が破産せざるを得ず、その結果、リスケ前であれば自宅の売却が必要なかったにもかかわらず、リスケを行ったことにより自宅を売却しなければならないということになりかねません。

 

このような事案は、リスケを行う前に破産手続を選択すべきであった場合であると言え、早期に弁護士にご相談いただくことで対処可能であると言えます。

 

3 グロース法律事務所のサポート内容

グロース法律事務所は企業法務を中心に取り扱う法律事務所として、会社の破産申立代理業務を取り扱っております。また必要な際は代表者の同時申立ても行っております。

 

破産手続に関して、早期にご相談いただければ、自宅の売却を回避するなどの破産に伴う影響を少なくすることが出来る場合もあります。破産手続を検討される際は、早期にご相談ください。

①グロース法律事務所によくご相談をいただく内容

・資金繰りが厳しく、資金ショートする可能性が高いが、どのような手続きをとればよいかわからない。

・経営状況が厳しく、破産を考えているがどのような準備が必要かわからない

・会社の破産と共に、代表者の破産もお願いしたい

・会社の破産ではなく、事業を継続させる民事再生手続をお願いしたい

②分野に関するグロース法律事務所の提供サービスのご紹介と費用

〇法人破産(破産管財申立事件)66万円~220万円まで

原則として110万円を基準とし、資産や事業実態のない関連会社の申立については減額要素となる一方、申立前に資産を適正に換価等する必要のある破産申立案件等については増額要素となります。

(弁護士費用の他、裁判所への予納金が必要となります。大阪地裁への申立の場合、最低額が20万5000円とされていますが、債権者数や賃借物件の明渡未了の場合などの状況によって最低額も50万円・80万円と増額されます。)

〇法人破産と同時に行う代表者破産申立 22万円~

法人破産と同時に代表者個人の破産を申立ていたします。

(法人破産と同様に裁判所への予納金が必要になりますが、大阪地裁への申し合っての場合、代表者に資産がほとんど存在せず、訴訟等の必要性等が存在しない場合は、代表者個人の予納金は5000円との取扱いがなされています。)

〇民事再生(※申立てにあたり顧問契約を締結させていただきます。)

着手金 165万円~(債権者数・法人の規模等により異なります。以下同様です。)

認可決定までの月額費用 33万円~

認可決定報酬 165万円~

認可決定後の顧問料は通常の顧問プランで契約いたします。

③グロース法律事務所への問い合わせ

お電話(06-4708-6202)もしくはお問い合わせフォームよりお問い合わせください。お電話の受付時間は平日9:30~17:30です。また、お問い合わせフォームの受付は24時間受け付けております。初回の法律相談については、ご来所いただける方に限り無料でご相談させていただいております(※遠方の方はオンライン会議での初回面談も承りますので、お申し付けください。また、新型コロナウイルス感染症の影響でどうしても来所ができないという方につきましても、オンライン会議で初回無料で面談を承りますので、お申し付けください。)

 

 

 

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徳田 聖也

徳田 聖也

德田聖也 京都府出身・立命館大学法科大学院修了。弁護士登録以来、相続、労務、倒産処理、企業間交渉など個人・企業に関する幅広い案件を経験。「真の解決」のためには、困難な事案であっても「法的には無理です。」とあきらめてしまうのではなく、何か方法はないか最後まで尽力する姿勢を貫く。

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