IT技術業務委託契約において、元請け企業からの受託業務につき個人事業主に再々委託したところ、労働基準監督署から偽装請負であるとして指導された事案

(相談)

IT技術職の業務委託について、下請企業からのご相談でした。発注元から元請企業が業務委託契約を受託し、当該業務の一部につきご相談企業が下請企業として再委託を受けていたところ、その業務の一部を個人事業主である個人に再々委託したところ、労働基準監督署から偽装請負との指摘及び改善の指導を受けたとのご相談でした。

(対応)

ご相談を受け、実態をヒアリングしたところ、再々委託先の個人事業主はご相談先である下請企業から具体的な指揮命令を受けておらず、独立して業務を遂行しており、偽装請負にはあたらないと考えられる事案でした。

 

しかし、下請企業と当該個人事業主の間に業務委託に関する簡易な契約書しか存在せず、契約書上では指揮命令を受けずに独立として業務を行っているか判然としない状況でした。また、業務遂行時の効率化のために、当該個人事業主が対外的に下請企業に所属していると表示することがあり、このような外形からは偽装請負が疑われることがありえる状況でした。

 

そこで、下請企業と個人事業主の間の業務委託契約書の作成を行い、その中で当該業務の実態と合わせて個人事業主が下請企業の指揮命令を受けずに独立して業務を行うことを明確にしました。また、業務効率を優先して対外的に下請企業に所属しているかのような表示の運用を改善し、今後は実態と合致しない表示を行わないように誓約書を作成いたしました。

 

労働基準監督署には、偽装請負ではない旨の実態の報告と共に上記業務委託契約書及び誓約書を提出し、偽装請負のような外形についても改善した旨を報告し、すでに行われた指導以上の処分を回避することができました。

 

労働基準監督署対応は、専門家に相談せずに指導内容について改善を行わなかった場合は、より重い処分が行われることがあり、その場合は労働基準監督署から公表されるなど企業にとって大きなダメージになることがありますので、労働問題に関する使用者側専門事務所である弊所にぜひご相談ください。

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徳田 聖也

徳田 聖也

德田聖也 京都府出身・立命館大学法科大学院修了。弁護士登録以来、相続、労務、倒産処理、企業間交渉など個人・企業に関する幅広い案件を経験。「真の解決」のためには、困難な事案であっても「法的には無理です。」とあきらめてしまうのではなく、何か方法はないか最後まで尽力する姿勢を貫く。
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