株式会社ジェイコムウエストに対する景品表示法に基づく措置命令について
【概要】
消費者庁は、令和6年8月6日、株式会社ジェイコムウエストに対し、同社が供給する家庭用の都市ガスの小売供給のうち、「J:COMガス まとめトク料金コース」と称するガス料金を適用する都市ガスの小売供給に係る表示について、消費者庁及び公正取引委員会(公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所)の調査の結果を踏まえ、景品表示法に違反する行為(同法第5条第2号(有利誤認)に該当)が認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき、措置命令を行いました。
【内容】
1 対象表示
ア 表示媒体
JCOM株式会社のウェブサイト(以下「本件ウェブサイト」という。)
イ 表示内容
令和4年11月11日から令和5年1月19日までの間、本件ウェブサイトにおいて、例えば、「POINT1 J:COMガスのまとめトク料金コースなら年間3,420円(税込)おトクに!」、「大阪ガスの一般料金をご契約中のご家庭で、毎月のガス使用量が16㎡を超える場合は、J:COMガスのまとめトク料金コースをご契約いただくとおトクになります。」等と、「表示内容」欄記載のとおり表示することにより、あたかも、毎月のガス使用量が16㎡を超える場合の本件役務のガス料金は、大阪瓦斯株式会社が提供する家庭用の都市ガスの小売供給のうち、「一般料金」と称するガス料金を適用する都市ガスの小売供給のガス料金(以下「大阪ガス一般料金」という。)より低額であるかのように表示していた。
ウ 実際
令和4年11月11日から令和5年1月19日までの間において、本件役務のガス料金に適用される原料費調整単価が大阪ガス一般料金に適用される原料費調整単価を上回るため、月のガス使用量の多寡にかかわらず、本件役務のガス料金は大阪ガス一般料金より高額であった。
2 命令の概要
ア 前記(1)アイの表示は、前記(1)ウのとおりであって、本件役務の取引条件について、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であり、景品表示法に違反するものである旨を一般消費者に周知徹底すること。
イ 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
ウ 今後、同様の表示を行わないこと。
【弁護士の意見】
ガス価格に関して、一定条件を明示して「大阪ガス一般料金より低額である」と謳っておきながら、当該条件を満たしても「大阪ガス一般料金より低額」とはならない場合が実際にあったものであり、価格に関する表示が事実と明らかに異なるため有利誤認表示となります。
このように一定条件を明示して価格の有利性や性能の有利性を表示する場合は、当該要件と満たした場合に本当に当該表示通りの有利性・優良性が認められるか、また当該一定条件を満たした場合でも例外はないかを慎重に検討し、表示に反映させる必要があります。
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