オンラインカジノはなぜ違法？弁賭博罪の適用範囲について弁護士が解説

Contents

１　はじめに
２　国外犯の処罰規定
３　オンラインカジノへの適用

１　はじめに

日本国内では刑法１８５条により賭博は禁止されています（賭博罪）。賭博とは偶然の勝敗によって財物を得たり失ったりすることを指します。

いわゆるオンラインカジノはカジノ内のゲーム等で使用できるポイントを購入し、ゲームの勝敗によりポイントが増減する仕組みであることが多く、これはカジノ内のゲームの勝敗という偶然の勝敗によって、金銭で購入したポイント（財物）を得たり失ったりするため賭博に該当します。このようなオンラインカジノが違法（賭博罪に該当する）ことは昨今多く報道されていますが、一方で海外で合法に解説されたカジノについて、現地で行うことは違法ではないことも周知の事実です。

なぜ海外現地で行うカジノが違法ではなく、オンラインカジノが違法であるのでしょうか。

２　国外犯の処罰規定

刑法は日本国内において罪を犯したすべての者に適用する（刑法２条）と定められていますが、日本国外で発生した全ての罪について適用されるわけではありません。

刑法３条では「国民の国外犯」として日本国民が日本国外で行った行為について適用される罪を掲げており、刑法３条の２では「国民以外の者の国外犯」として日本国民以外の者が日本国外にて行った行為について適用される罪が掲げられています。これはすなわち刑法３条・３条の２に掲げられていない行為が日本国外で行われても刑法が適用されないことを意味します。

刑法１８５条をはじめとする賭博に関連する罪は、刑法３条及び刑法３条の２に掲げられておらず、従って海外で行われた賭博行為については刑法の適用がありません。

そのため、海外の現地で行ったカジノについては刑法の適用がなく罪に問われません。