改正公益通報者保護法が成立しました
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250604/k10014825431000.html
同月11日に令和7年法律第62号として公布されました。この法律は、公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行されます。
改正の目玉の一つとして、公益通報を理由とする不利益な取扱いの抑止・救済の強化があります。
具体的には、
・通報後1年以内の解雇又は懲戒は公益通報を理由としてされたものと推定する。
・公益通報を理由として解雇又は懲戒をした者に対し、6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金、両罰を新設する
などしました。
また、公益通報対応業務従事者指定義務に違反する事業者(常時使用する労働者の数が300人超に限る)に対し、勧告に従わない場合の命令権及び命令違反時の刑事罰(30万円以下の罰金、両罰)が新設されました。
他にも、公益通報者の範囲に、事業者と業務委託関係にあるフリーランス及び業務委託関係が終了して1年以内のフリーランスを追加し、公益通報を理由とする業務委託契約の解除その他不利益な取扱いが禁止されています。
これまでの各企業における公益通報を始めとする関係規程については、この機会に再点検いただき、実務運用とともにアップデートいただきたいと思います。
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谷川安德
谷川安德
大阪府出身。立命館大学大学院法学研究科博士前期課程(民事法専攻)修了。契約審査、労務管理、各種取引の法的リスクの審査等予防法務としての企業法務を中心に業務を行う。分野としては、使用者側の労使案件や、ディベロッパー・工務店側の建築事件、下請取引、事業再生・M&A案件等を多く取り扱う。明確な理由をもって経営者の背中を押すアドバイスを行うことを心掛けるとともに、紛争解決にあたっては、感情的な面も含めた紛争の根源を共有すること、そこにたどり着く過程の努力を惜しまないことをモットーとする。

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