法務担当者の退職対応と突然の退職に備えた法務体制

1 はじめに

弊所へのご相談事例の中に、法務担当者の離職に伴い、社内で法務チェックを行える人員が不足した、あるいはいなくなった。契約書レビューや、営業担当者からの質問に対し、適切に対応できる人員が社内におらず、対応に苦慮している、といったご相談を受けることがあります。

また、こうしたご相談は、中小企業非上場企業のみではなく、上場企業からのご相談としてもお受けすることがあり、そのご相談の数も以前より増している状況です。

企業にとって悩ましいのは、以下のような点です。

 

☑法務担当者は社内で必ずしも人員が多く確保されておらず、特定の人員に集中していた。

☑よって、引き継ぎがスムーズにいかない。

☑新たな人材を確保しても、安易には自社リスクを開示出来ない。

☑新たな人材を確保しても、自社に適応した法務担当となるまでには相当に時間を要する。

☑新たな人材が育っても、離職によって同様の問題が生じ得る。

 

といった内容です。

 

弊所においてはこのような潜在的な法務リスクに対し、以下のようなご提案を行っています。

 

2 契約審査・契約書レビューのアウトソーシング

契約審査・契約書レビューは、ある程度の法律知識、経験値が備われば、法務担当者においてリスク判断や簡易な修正は可能になると思います。

しかし、日常的に1人あたり数通、まして10通を超える契約審査が必要となる場合には、ある程度担当業務の比重をそこに置かざるを得ず、他の法務担当業無がある場合に、十分な時間を割けない状況も生じます。その結果、残業時間が増加する等の状況も生じると、企業にとっては経費負担も増加する結果につながります。

こうした固定的な人件費相当額は、契約審査・契約書レビューをアウトソーシングすることによってむしろ軽減できる可能性があり、法務担当者の離職に伴うリスクも事前にヘッジすることが可能となります。

弊所では、契約審査・契約書レビューのアウトソーシングをお受けしておりますが、次のような受託方針としています。

 

①一定数量の契約審査・契約書レビューをお受けすることを前提に、貴社予算に合わせたお見積と受託業務内容をご提案しています。

②他事務所との比較での見積もり減額には対応していません。

 

弊所の経験値を含めた契約審査・レビューの強みを維持しつつ、可能な限り1通あたりの単価が下げられる工夫を行い、ご提案しています。

一般的な契約審査・契約書レビューの費用は、こちらをご参照下さい。

 

3 貴社担当者向け研修

弊所では、契約審査・契約書レビューを内容とするセミナーを実施していますが、貴社担当者向けに特化した研修も行っています。

貴社担当者向けとしては、以下のとおり内容を分けることも可能です。

☑法務担当者向け

契約書の条文解説、リスク判断、修正条項案の作成ポイント等

☑営業担当者向け

契約書の条文解説、リスク判断、法務チェックに回す必要性を判断するポイント等

法務担当者向けは、ある程度契約審査・契約書レビューが出来るように、営業担当者向けは、現場において本来法務チェックを要する内容の契約が締結されしまうことのないようにといった視点で、分けることも可能です。

 

4 最後に

契約審査・契約書レビューは、上場を見据えた企業においては今の段階から積み重ねておく必要のなる内容でもあります。

結果として多くのリスク、費用負担を抱えないよう、現在の体制の見直しに際してご参考にいただければと思います。

 

The following two tabs change content below.
谷川安德

谷川安德

谷川安德 大阪府出身。立命館大学大学院法学研究科博士前期課程(民事法専攻)修了。契約審査、労務管理、各種取引の法的リスクの審査等予防法務としての企業法務を中心に業務を行う。分野としては、使用者側の労使案件や、ディベロッパー・工務店側の建築事件、下請取引、事業再生・M&A案件等を多く取り扱う。明確な理由をもって経営者の背中を押すアドバイスを行うことを心掛けるとともに、紛争解決にあたっては、感情的な面も含めた紛争の根源を共有すること、そこにたどり着く過程の努力を惜しまないことをモットーとする。

「法務担当者の退職対応と突然の退職に備えた法務体制」の関連記事はこちら

現在、初回のご相談は、ご来所いただける方に限り無料とさせていただいております現在、初回のご相談は、ご来所いただける方に限り無料とさせていただいております
  • サービスのご紹介
  • 二つの理由
  • 顧問契約活用事例
  • 顧問先の声

グロース法律事務所が
取り扱っている業務

新着情報

 TOP