飲酒チェック義務化について弁護士が解説

1 はじめに

令和3年6月28日に千葉県で発生した飲酒死亡事故をきっかけに決定された「通学路等における交通完全の確保及び飲酒運転の根絶に係る緊急対策」において「自動車を一定数以上保有する使用者に義務付けられている安全運転管理者等の未選任事業所の一掃を図るとともに、乗車前後におけるアルコール検知器を活用した酒気帯びの有無の確認の促進等安全運転管理者業務の内容の充実を図る」こととされました。

そして、道路交通法施行規則の一部が改正され、安全運転管理者の行うべき業務としてアルコール検知器等を用いた酒気帯びの確認等が新たに設けられました。

すなわち、運送業等以外でも、一定台数以上の自動車を使用する使用者は安全運転管理者の選任を行い警察に届け出をしなければなりませんが、今回新たに、当該安全運転管理者はアルコール検知器を用いて酒気帯びの有無の確認を行い、酒気帯びに関する記録を作成し1年間は保存する義務を負います。また、アルコール検知器を常時有効に保持する義務も課されます。

 

2 安全運転管理者選任の必要がある使用者

飲酒運転の有無を確認する義務が課される安全運転管理者を選任する必要があるのは以下のいずれかの条件に当てはまる使用者です。この場合、自動車の使用の本拠(事業所等)ごとに安全運転管理者の選任を行う必要があります。同じ法人であっても部署の所在地ごとに別の事業所として選任・届出が必要です。同じ所在地にある部署であっても、使用者ごとに別の事業所として選任・届出が必要です。

① 乗車定員が11人以上の自動車を1台以上保持する使用者

② (乗車定員に限定なく)自動車を5台以上保持する使用者

なお、自動二輪車(原付を除く)は1台を0.5台として計算します。

従って、営業車を5台以上使用している事業主は今回の改正による飲酒チェック義務化の対象となることから注意が必要です。

また、自動車20台以上40台未満の場合は1人、40台以上60台未満の場合は2人、60台以上80台未満の場合は3人、80台以上100台未満の場合は4人(以降20台ごとに1人の追加)の副安全運転管理者の選任が必要です。

 

3 飲酒チェック義務化の内容

飲酒チェック義務化は2段階に分けて実施されます。

(1) 202241日からの施行内容

① 運転前後の運転者に対し、当該運転者の状態を目視等で確認することにより、当該運転者の酒気帯びの有無を確認すること。

② ①の確認の内容を記録し、当該記録を1年間保存すること。具体的には以下の内容を記録し、保存しなければなりません。

・確認者名

・運転者

・運転者の業務に係る自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等

・確認の日時

・確認の方法

ア アルコール検知器の使用の有無(但し当該項目は2022年10月1日から義務化)

イ 対面でない場合は具体的方法

・酒気帯びの有無

・指示事項

 

(2) 2022101日からの施行内容

① 運転者の酒気帯びの有無の確認を国家公安委員会が定める(※)アルコール検知器を用いて行う

※ 呼気中のアルコールを検知し、その有無又はその濃度を警告音、警告灯、数値等により示す機能を有するもの

② アルコール検知器を常時有効に保持すること

常時有効に保持とは、正常に作動し、故障がない状態で保持しておくことをいいます。このため、運転管理者はアルコール検知器について製作者が定めた取扱説明書に基づき、適切に使用し、管理し、及び保守するとともに、定期的に故障の有無を確認し、故障がないものを使用しなければなりません。

 

4 安全運転管理責任者の資格要件

安全運転管理者には次の要件が備わっていることが必要です。

・20歳以上

・自動車の運転の管理に関し、2年以上の実務経験を有する者

又は上記の者と同等以上の能力を有すると公安委員会が認定した者

また、安全運転管理者の欠格要件(該当者は安全運転管理者に指定できない)は以下のとおりです。

・公安委員会の命令により安全運転管理者等を解任され、解任の日から2年を経過していない者

・下記の違反行為等をした日から2年を経過していない者

ひき逃げ

無免許運転、酒酔い運転、酒気帯び運転、麻薬等運転無免許運転にかかわった車両の提供、無免許運転の車両への同乗

酒酔い・酒気帯び運転にかかわった車両の提供、酒類の提供、酒酔い・酒気帯び運転の車両への同乗

酒酔い・酒気帯び運転、無免許運転、過労運転、放置駐車違反等の下命・容認

自動車使用制限命令違反

妨害運転(著しい交通の危険、交通の危険のおそれ)

 

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